
会社説明会や動画だけではなかなか知ることができない、エンジニアの業務。
製品開発に携わる新入社員の瑠璃川が、1人前のエンジニアとして自身が手掛けた製品が世に出るまでを記す。
ゆえにこの連載は来月で終わるかもしれないし、10年かかるかもしれない。
Work at ADN -THE REAL-を通してADN発、新入社員成長ドキュメンタリーを紹介します。
All roads lead to the future.
2023年11月 配属4ヶ月目
瑠璃川はこれまで当社で生産量の多い「TA-LED」「MC-LED」という製品を中心に試作を行い、製品の構造理解と部品の知識、組み立ての流れを学んでいた。
まず、彼女が組み立てた「TA-LED」という製品は、ネジを使用しない構造で、工数が少なく作りやすい製品となっている。
一方で「MC-LED」は特徴的な構造と特殊な工程があるため、彼女は試作の中でいくつか疑問を抱いた。
一つ目は、「TA-LED」をはじめとする当社の多くの製品はアルミケースにLED基板をスライドして収納する。
それに対し「MC-LED」は、LED基板をアルミケースの上からシリコンで貼り付ける点だ。
二つ目は、「MC-LED」のサイド板(器具の端を止める部品)は、「TA-LED」にはない段差を持つ構造になっている点だ。
「MC-LED」は、多様な照明手法で空間を繊細にデザインする意匠性の高い照明器具だ。
その製品の特性上、サイズが小さくLED基板をスライドして収納する空間を確保することが困難なため特殊な工程でLED基板を収納している。
さらに施工時に器具から出ているリード線を格納できるようサイド板に段差をつけ、リード線を曲げて取り付けてもはみ出さない意匠性を持った構造になっている。
顧客の要望を叶え、工程の無駄を省き、既に完成された製品であるが、彼女は組み立てを行う中でさらなる可能性を見出した。
それが、「MC-LED」のネジレス化だ。
彼女の設計開発デビューとなる「MC-LED」のネジレス化は、「TA-LED」の組み立てからアイデアを得て踏み切った挑戦だ。
既にネジレス化された「TA-LED」とは構造が異なるため流用が難しく、実在しない物を生み出すというレベルアップした業務となっている。
構想段階では、ネジが無い部分が不安定になってしまう問題に対し、部品にピンを立てることで部品の横ずれを防ぐ工夫を施したり、
実際に試作して取り付けてみたら部品の位置が合わず、コンマ1mmの世界で最適解を見出すため試行錯誤している。
エンジニアとして新人のうちからアイデアが採用され、積極的にトライできるのは育成環境が整った当社だからできることの一つだ。
彼女の部品開発への挑戦は今後さらに秋田DNライティング技術部門から発案していく足がかりとして大きく貢献するだろう。
教育係がフォローしながら新入社員としてこれまで無かった挑戦を行う彼女だが、業務負荷が大きいのではという懸念があった。
しかし彼女は『業務の難易度は何倍も上がったが、その分面白さも何倍も増えた』といいながら開発に注力している。
次回、果たして彼女は部品開発を形にできるのか、目が離せない。
製品開発に携わる新入社員の瑠璃川が、1人前のエンジニアとして自身が手掛けた製品が世に出るまでを記す。
ゆえにこの連載は来月で終わるかもしれないし、10年かかるかもしれない。
Work at ADN -THE REAL-を通してADN発、新入社員成長ドキュメンタリーを紹介します。
All roads lead to the future.
2023年11月 配属4ヶ月目
瑠璃川はこれまで当社で生産量の多い「TA-LED」「MC-LED」という製品を中心に試作を行い、製品の構造理解と部品の知識、組み立ての流れを学んでいた。
まず、彼女が組み立てた「TA-LED」という製品は、ネジを使用しない構造で、工数が少なく作りやすい製品となっている。
一方で「MC-LED」は特徴的な構造と特殊な工程があるため、彼女は試作の中でいくつか疑問を抱いた。
一つ目は、「TA-LED」をはじめとする当社の多くの製品はアルミケースにLED基板をスライドして収納する。
それに対し「MC-LED」は、LED基板をアルミケースの上からシリコンで貼り付ける点だ。
二つ目は、「MC-LED」のサイド板(器具の端を止める部品)は、「TA-LED」にはない段差を持つ構造になっている点だ。
「MC-LED」は、多様な照明手法で空間を繊細にデザインする意匠性の高い照明器具だ。
その製品の特性上、サイズが小さくLED基板をスライドして収納する空間を確保することが困難なため特殊な工程でLED基板を収納している。
さらに施工時に器具から出ているリード線を格納できるようサイド板に段差をつけ、リード線を曲げて取り付けてもはみ出さない意匠性を持った構造になっている。
顧客の要望を叶え、工程の無駄を省き、既に完成された製品であるが、彼女は組み立てを行う中でさらなる可能性を見出した。
それが、「MC-LED」のネジレス化だ。
彼女の設計開発デビューとなる「MC-LED」のネジレス化は、「TA-LED」の組み立てからアイデアを得て踏み切った挑戦だ。
既にネジレス化された「TA-LED」とは構造が異なるため流用が難しく、実在しない物を生み出すというレベルアップした業務となっている。
構想段階では、ネジが無い部分が不安定になってしまう問題に対し、部品にピンを立てることで部品の横ずれを防ぐ工夫を施したり、
実際に試作して取り付けてみたら部品の位置が合わず、コンマ1mmの世界で最適解を見出すため試行錯誤している。
エンジニアとして新人のうちからアイデアが採用され、積極的にトライできるのは育成環境が整った当社だからできることの一つだ。
彼女の部品開発への挑戦は今後さらに秋田DNライティング技術部門から発案していく足がかりとして大きく貢献するだろう。
教育係がフォローしながら新入社員としてこれまで無かった挑戦を行う彼女だが、業務負荷が大きいのではという懸念があった。
しかし彼女は『業務の難易度は何倍も上がったが、その分面白さも何倍も増えた』といいながら開発に注力している。
次回、果たして彼女は部品開発を形にできるのか、目が離せない。